「天使ちゃんのおくりばこ」について


「こうしてあげかった」の声を集めました

 2011年より定期開催している「天使パパ・ママのお話し会〜秋田〜」では、お子さんを亡くされた悲しみの他に、ちゃんと送ってあげられなかった事、小さな赤ちゃんに見合った産着や棺を準備する事ができなかった事への悲しみや後悔の体験談が数多く寄せられてきました。
「小さな赤ちゃんに見合う棺がなく、簡易的な紙箱に入れるしかなかった。」
「大きい棺では赤ちゃんがとても小さく見えて、ちゃんと産んであげられなかったとさらに辛い気持ちになった。」
 そんなパパやママ、そばで関わる人達の「亡くなったこと以外の悲しみ」を少しでも和らげたいとの思いから、2018年から「おくりばこ」の開発をはじめました。


「できるものは全て準備してあげたい」の想いから

 「おくりばこ」は赤ちゃんにぴったりなサイズの棺、赤ちゃんを優しく包む産着・布団、木のおもちゃ・お骨入れ・包み布・読み物のセットとなります。
 棺のサイズや形状は赤ちゃんを亡くされた天使ママ達の声を一番大切にし、産科医療に携わる方々との多くの意見交換と試作を重ねて作られました。
 産着と布団は経験者・協力者の方々の温かい想いのこもった手縫いとなります。
 実際に赤ちゃんを亡くされた天使ママ達の体験談をもとに、赤ちゃんとお別れするまでの短い時間でできることを小冊子にしました。
突然の赤ちゃんとのお別れに戸惑い、悲しみ、何をどうしたらいいのか分からないまま時間が過ぎていきます。
小冊子にある事は必ずしなければならない事ではありません。
できる事だけでも、やってあげたい事だけでも、小冊子を参考にして後悔のない満足のいくお別れをしてほしいと思いおくりばこセットへ同封いたしました。


秋田の地域活性化に繋げたい。たくさんの手で作りあげました

 運営団体である「NPO法人ここはぐ」は、流産・死産・新生児等で赤ちゃんを亡くされた経験のあるスタッフが活動しています。他にもたくさんの企業、ボランティアスタッフの方々がおくりばこ事業に力を貸してくれています。
 おくりばこを通して、障害者や健常者を隔てることなく、秋田県の産業や伝統、1人1人1つ1つの個々が大切にされ共生し循環する社会を作っていきたいと考えています。


天然素材100%にこだわっている理由

 天使ちゃんママの中には、お骨をのちにペンダントにしたかったけど、お骨に化学繊維がたくさんついてしまいできなかったという声がありました。その声を生かしてわたしたちは天然素材100%でこの天使ちゃんのおくりばこを作ることにこだわっています。もし、天然素材以外のものをおくりばこに入れる際には、赤ちゃんの身体から離して入れてあげるとキレイにお骨が残せます。


産着の合わせのこと・りぼんのこと

 産着は右前でお届けします。それぞれの宗派や決まりごとはあると思います。どちらに合わせても大丈夫です。ママのしたいようにしてくださいね。
 りぼんはできるのであれば、ぜひママが結んであげてください。ママと赤ちゃんがずっと結ばれている証という気持ちで産着やおくるみ、包み布はりぼん結びのデザインにしました。


ママの子宮のデザインに

 ママの子宮にいるように、ぽかぽかあたたかいところに、優しく包まれていられるように、お骨入れ、お骨袋、包み布はママの子宮をモチーフにしたデザインでつくりました。
 また、風呂敷がトラウマになってしまわないよう、おくりばこや赤ちゃんのものなどをのちに大切に包んでいられるような風呂敷でないデザインを考えてつくりました。やわらかな包み布の手触りが、赤ちゃんにとってもママにとっても優しいものであるようにと考えてつくりました。



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